思い出のくれ木踊り
週に一度訪問している5軒だけの小さな集落梨久保(なしくぼ)では平成18年までくれ木踊りというお祭りが行われていました。
泰阜の南部はお米の代わりにくれ木(材木)を年貢として納めていて、完納を祝うお祭りの踊りが榑木踊りでした。江戸時代初期からずっと続いていると言われ、国の無形文化財にも指定されていましたが、人口減少や高齢化でお祭りを続けることができなくなってしまいました。(温田地区では現在も続けられています!)
先日梨久保を訪問したとき、地区の方に集会場に飾ってある写真を見せてもらいました。その方はずっとくれ木踊りの担い手でお祭りを終わらせる決断をした人の一人です。こんな風に飾りを作った、踊りを踊ったと、写真を見ながら話してくれました。
みんなで集まってこの飾りを作るのには1日かかりました。
村の中学生に教えているところ。
最後のくれ木踊りには、センターに入りきらないくらい人が集まって賑やかだったそうです。
だんだん衰退して終わりになるより、賑やかにやって記憶に残したかったからそう決めたと話していました。
賑やかに続けられれば一番いいけど、守るということにはいろいろな形がある。続けることだけじゃなくて、きちんと終わらせて記憶に残すのも、守るということ。